(平成25年3月時点)
1.国営造成農業水利施設の被災状況
3.11地震による被災状況調査を平成24年1月から開始し、継続実施中(東北農政局等)。
現在までに把握できた被災状況は次のとおり。
(1)大柿ダム
- 堤体の天端に亀裂(開削調査の結果、中央部に最大約3m)
- 堤体の天端上流法肩に変位(最大30㎝沈下)
(2)幹線用水路
- 幹線用水路(管路)は、漏水の痕跡を8箇所で確認
- 管内調査で、総継ぎ目数1,906箇所のうち、636箇所で継ぎ目間隔の開き等を確認
【幹線用水路の被災状況調査の概要】
施設区分 | 延長 | 被災状況 | 施設構造 |
請戸幹線導水路 | 3.4㎞ | 被災なし(目視) | トンネル |
請戸左岸幹線 | 6.5㎞ | ||
サイホン部 | 4.1㎞ | 6箇所で漏水の痕跡を確認。管内調査において、 総継ぎ目数1,115箇所のうち、459箇所で継ぎ目 間隔の開き等を確認 | 開水路+サイホン(14箇所) |
開水路部 | 2.4㎞ | 一部で目地部のずれ、開き、沈下等を確認 | |
請戸右岸幹線 | 3.6㎞ | 2箇所で漏水の痕跡を確認。管内調査において、 総継ぎ目数791箇所のうち、177箇所で継ぎ目 間隔の開き等を確認 | |
高瀬幹線導水路 | 3.1㎞ | (調査未実施) | |
高瀬左岸幹線 | 2.9㎞ | (調査未実施) | |
高瀬右岸幹線 | 4.8㎞ | (調査未実施) |
2.今後の被災状況調査方針
東北農政局は今後、未調査施設等について、福島農業基盤復旧再生計画調査を活用し、国営造成施設のほか、県営造成施設も対象に詳細な調査を実施。平成25年度に直轄災害復旧計画を策定し、復旧工事の実施を目指す。大柿ダムについては、堤体内部の被災状況の調査・分析、被災原因の解析を行い、ダム委員会の助言も踏まえ、復旧工法などを検討する。